ルースの形状と留め方
ルースの形状は様々ですが、その形状により、加工可能なデザインが変わってきます。
お手持ちのルースがどの種類の形状なのか、ご確認下さい。
大まかですが下記の3種類に分類できると思います。
① カット石
ダイヤモンドのようにカットしてあり、キラキラしている石です。
通常、裏面もカットしてあり、とがっています。
石の種類で言うと、ダイヤモンドはもとより、ルビーやサファイヤ、エメラルド、トルマリン、トパーズ等、透明石がほとんどです。水晶、アメシストやシトリンなどもカットされます。
【オススメの石留め方】
●シンプル爪留め
●2段腰爪留め
●フクリン留め
< シンプル爪留め >
カット石のほとんどが、裏面もカットしてある為、裏を何らかの形で、覆って尖った部分があたらないように加工します。表から見えない部分を材料で覆い、周りに爪を立てて、爪留めいたします。
< 2段腰爪留め >
上記のように裏を加工いたしますが、光がより多く入ると、宝石がより輝きを増します。そのため、石枠側面にスリットをいれ、光が透過するように加工いたします。材料自体高価な貴金属では、材料費も抑えることが出来ますが、加工が他に比べ、難しいです。
< フクリン留め >
周りを材料で覆い、石の縁全てが爪になります。材料をたたいて留める場合と、接着で留める場合があります。石の形状や種類によりどちらかになります。割れやすい石などは、接着留めになります。周り全てを覆うため、衝撃などによる、石の掛けや割れの予防になります。難しい加工になります
② カボッション石
< シンプル枠巻き >
石の周りを覆うように、枠を作り、接着にて留める方法です。宝石は表から枠に入れ、接着にて留めます。枠と宝石はかなりの精度で枠合わせを行いますので、石の形状にもよりますが、使用中に外れる事ほとんどはありません。正面から見ると石の周りに材料が一線見えます。宝石を保護する意味では周りを覆っているので、傷や衝撃に強く優れています。
< シンプル爪留め >
カボッション石のほとんどは、裏面が平らな形状です。爪を立てる場合は土台となる枠を作らなければ立てられません、そのため裏面に線材料巻き、それに沿わせるように、爪を立てます。石の大きさや、形状により線材料の太さや形状は変わります。正面から見た形状は石以外には、爪が見えるだけのシンプルな加工になります。
< 2段腰爪留め >
上記のように裏を加工いたしますが、光がより多く入ると、宝石がより輝きを増します。そのため、石枠側面にスリットをいれ、光が透過するように加工いたします。材料自体高価な貴金属では、材料費も抑えることが出来ますが、加工が他に比べ、難しいです。
< C線材料加工 >
C線とは弊社オリジナル材料です。断面がCの字の線材料で石を巻く加工となります。石のガードルに沿ってC線材料をぴったり巻き、Cの開いている部分に"カチッ"とはまるように加工いたします。周りにぷっくりとした、1.2mm程度の材料が付きます。浮き輪をまとった感じです。
< V線材料加工 >
V線とは弊社オリジナルの線材料です。断面がV字の材料で石を巻く加工となります。石のガードルに沿ってV線材料をぴったり巻き、Vの開いている部分に"かちっ"とはまるように加工いたします。周りにシャキッとしたシャープな、1.2mm程度の材料が付きます。
③ 不定形石
ボルダーオパールやコハクなど、産出状況で形状が不定形な物はカット も不定形のまま宝石になります。丸くすることも可能ですが、大きさが 小さくなってしますため、そのままの形状で研磨流通しています。 種類としては、ボルダーオパール(母岩付オパール)、珊瑚、コハク、ト ルコ石などがあります。
【オススメの石留め方】
●不定形枠巻き
< 不定形巻き >
キャストテクニック(鋳造技術)を使い、不定形の石をそのままの形状がすっぽり入るような枠を作ります。基本は接着留めで石の形状や状態により、爪もつけます。珊瑚やバロックパール、切抜きのカメオなど。
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